臭気の種類・性質にあった脱臭設備をご提案します

悪臭対策には、脱臭装置が不可欠です。しかし、脱臭装置とひとくちに言ってもさまざまな脱臭方式のものがあるため、臭気の種類や性質などを正確に把握し選定しなければ脱臭効果は期待できません。

あらゆる悪臭物質に効く万能な脱臭装置はありません。工場より発生する臭気の種類や性質、濃度、設置スペースなどを総合的に判断し、環境に適した脱臭設備を設置、更に複数の脱臭装置を併用したりする必要があるのです。

以下では、テクノメディカルが取り扱う脱臭装置の脱臭技術をご紹介します。脱臭装置の導入をお考えの方、脱臭方式の違いを知りたい方はぜひ参考になさってください。

【脱臭方式の種類】

  • 換気・希釈法
  • 燃焼法
  • 生物脱臭法(システム)
  • オゾン酸化法
  • 触媒分解法
  • プラズマ分解法
  • 光触媒分解法
  • 酸素クラスター法
  • 吸着法
  • 洗浄法
  • 吸着分解法
  • 化学的捕捉法
  • 感覚的消臭法
  • 消臭剤法

換気・希釈法

大量の無臭の空気に希釈して、窓や煙突・排気口などから、自然換気または機械換気により排出する方法。

メリット
  • あらゆる臭気に対応できる
デメリット
  • 発生臭気が微量もしくは低濃度のケースにかぎる
  • 悪臭防止法・大気汚染防止法ならびに各自治体条例などの法規規制を満たし、かつ近隣住民などから苦情がでない場合にかぎる
コスト イニシャルコスト 小
ランニングコスト 中~小(主に電力など動力費)

燃焼法

臭気成分を高温処理して酸化分解する方法。直接・蓄熱式燃焼法(650~800℃で分解)、触媒燃焼法(200~340℃で分解)などがあります。

メリット
  • ほとんどの臭気成分に適用でき、高濃度の臭気に対応できる
デメリット
  • 低濃度・大風量の場合は、建設費・維持費がかかり適用に限界がある
コスト イニシャルコスト 大
ランニングコスト 大(主に燃料費)

生物脱臭法(システム)

微生物の生態系物質循環作用を利用して分解脱臭する方法。土壌法や充填塔法といった固相型、曝気式やスクラバー式といった液相型があります。

メリット
  • 微生物を利用したもっとも自然にやさしい脱臭方法であり、今後あらたな微生物の発見などによる飛躍的な技術革新が期待される
デメリット
  • 脱臭機構(微生物と臭気の反応)が明確にできないことが多い
  • 微生物の生育条件(温湿度・PH・栄養分など)を常に満たす管理(システムの維持)を必要とし、しっかりとした管理のもとで運営する必要がある
コスト イニシャルコスト 大~中
ランニングコスト 中~小(主に電力などの管理費)

オゾン酸化法

地球規模で行う脱臭(オゾン層による分解)と同じ原理を人工的に生成させ、オゾンと臭気を接触させて酸化分解する方法です。

メリット
  • 省スペースでコンパクト
  • 低濃度から高濃度まで設定条件にしたがって安定した能力で脱臭できる
  • オゾンの原材料は空気中の酸素で、薬剤の補給がなく管理が容易
デメリット
  • 低濃度であれば問題はないが、オゾンは吸引すると人体に有害であるため、装置の設計には注意が必要
コスト イニシャルコスト 中~小
ランニングコスト 小(主に電力費)

触媒分解法

自ら変化することのない触媒に接触させて、化学分解する方法。燃焼酸化法やオゾン酸化法などと組み合わせて用いることが多くなっています。

メリット
  • 省スペースでコンパクト
  • 臭気成分に適応したものであれば有効
デメリット
  • メーカーの独自技術によって製造されているので、触媒の成分および分解方法について明確にされていない
コスト イニシャルコスト 小
ランニングコスト 小(主に触媒交換費)

プラズマ分解法

高電圧プラズマにより発生した活性酸素プラズマを利用して酸化分解する方法。

メリット
  • 安定した能力で脱臭できる
デメリット
  • 比較的新しい方法のため、まだ設置例も少なく、実績データに欠ける
コスト イニシャルコスト 中
ランニングコスト 中(主に電力費)

光触媒分解法

紫外線と酸化チタンを主成分とする触媒の反応により酸化分解する方法。酸化チタンをセラミックフィルタなどにコーティングして使用し、高濃度臭気の場合は多段で使用します。

メリット
  • 分解が難しい臭気を分解できる
デメリット
  • フィルタ表面にゴミ・油分が付着すると脱臭効率が低下する
  • 酸化分解後にフィルタ表面に付着した塩類を洗浄して除去しなくてはいけない
コスト イニシャルコスト 中
ランニングコスト 中(主に電力費・ランプ交換費・フィルタ洗浄費)

酸素クラスター法

放電により空気中の酸素をイオン化することで生じるプラスイオンとマイナスイオンの集合体(酸素クラスター)が臭気成分を包み込むことで、悪臭成分をイオン分解する方法。

メリット
  • 省スペースでコンパクト
  • 自然界と同じバランスのマイナスイオンによる分解なので、生体に悪影響をおよぼさない
  • 原材料は空気中の酸素なので、薬剤の補給が不要で管理が容易
デメリット
  • 高濃度臭気の脱臭には効果が低い
  • 放電時に発生するオゾンに対して換気による希釈が必要
  • イオン生成管は帯電により汚れやすく、ガラス管に電気的な負荷がかかり小さな傷が発生しやすいため、定期的なメンテナンスが必要
コスト イニシャルコスト 小
ランニングコスト 小(主に電力費、イオン生成管のメンテナンス費)

吸着法

活性炭内に形成される細かい孔に臭気を吸着させて脱臭する方法。活性炭の形状は粒状、破砕状・繊維状・ハニカム状など多岐にわたり、使い勝手に優れています。吸着除去後の処理方法には、一般的な交換方式のほかに主として有機溶剤の除去に使用される、回収法(固定床式・流動床式)や濃縮法があります。

メリット
  • ほとんどの臭気成分を脱臭・消臭できる
  • 昔から知られている方法なので実績があり信頼性が高い
  • 臭気を通過させるだけの簡単な処置で脱臭できる
デメリット
  • 臭気吸着剤の交換時期が予測しづらい
  • 一般的に装置の圧力損失が高い
コスト イニシャルコスト 中
ランニングコスト 大~中(主に吸着剤交換費)

洗浄法

洗浄液(酸・アルカリ・水)などを気液接触により吸収させて中和・酸化分解する方法。複合装置の前処理として用いることもあります。

メリット
  • 臭気成分が特定されている場合は効果的な脱臭が行える
  • ダスト、ミスト、フュームを同時に処理できる
デメリット
  • 薬品を使用する場合は安全対策をしっかり行い、施設管理者による装置の専門的な日常管理が必要(薬品による腐食などが危惧されるため)
  • 別途、廃液・汚泥処理などの設備が必要
  • 中性悪臭成分に対する脱臭効果が低い
  • 装置が重くサイズが大きいため、設置上の制約が多い
コスト イニシャルコスト 中
ランニングコスト 中~小(主に動力費・薬品使用の場合は薬品費)

吸着分解法

複合臭のある飲食店の厨房や食品工場の排気臭を脱臭する目的で開発された方法。高性能吸着剤と常温活性触媒を主材料とした無機材料焼成フィルタは、吸脱着作用と触媒分解作用を併せ持っています。

メリット
  • 吸脱着・触媒分解作用で高い脱臭性能を長期間維持できる
  • フィルタは低圧力のハニカム構造なので、損失が少ない
  • フィルタを再生利用できるので経済的
  • 日常的なメンテナンスは不要(フィルタ交換のみ)
デメリット
  • 装置が大きく、スペースをとる
  • 吸脱着するため少量のニオイが残り、高効率利用には限界がある
コスト イニシャルコスト 中
ランニングコスト 大~中(主に吸着剤交換費)

化学的捕捉法

超高分子化合物の水溶液を圧縮空気で臭気に噴霧する方法。薬剤に添加物をくわえることで、濃度範囲、酸性・アルカリ性・中性を問わずに脱臭できます。

メリット
  • 臭気成分にあわせて最適な脱臭剤をカスタムメイドできる
  • 脱臭剤の安全性が確認される
  • ドレン処理も一般的な浄化槽・浄化装置で容易に対応できる
デメリット
  • 研究所の排気臭、厨房の排気臭など複雑なニオイを脱臭する場合は、多液噴霧となり装置が複雑になる
  • 臭気の種別によっては対応できない(万能ではない)
コスト イニシャルコスト 中
ランニングコスト 大~中(主に吸着剤交換費)

感覚的消臭法

香料・植物精油(フィトンチッド)・植物抽出物などにより、臭気の質の改善と臭気強度や不快度の低下を図る方法。低濃度臭気に対応し、消臭ユニット・空調ダクト・天井カセットなどに組み込んで用います。

メリット
  • 簡便な消臭システムで設備費用が安い
  • 薬剤費用以外のランニングコストがほとんどかからない
  • 装置がシンプルで後付可能
デメリット
  • 臭剤自体がニオイを持つため、消臭剤の濃度調整が難しい
コスト イニシャルコスト 中~小
ランニングコスト 大~中(主に消臭剤交換費)

消臭剤法

消臭剤を使用する方法。噴霧法、発散法、拡散法、散布法、添加法(適下溶融法)、被覆法、吸着法などがあります。

メリット
  • 応急処置として芳香剤・脱臭剤・防臭剤など、目的にあわせたものを使用できる
デメリット
  • 高濃度の臭気には効果が低い
  • 消臭剤を定期的に補充・交換する必要がある
  • 消臭剤・使用法の選択を誤ると効果がでない
コスト イニシャルコスト 小
ランニングコスト 中~小(主に消臭剤交換費)

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